「人がいなくなって寂しい」
公開日:
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最終更新日:2017/09/18
et cetera
「人がいなくなって寂しい」
とはこういうことか。
もう、この世では会えない、
その確かさが寂しさを呼んでくる。
~~~~~~~~~
父を亡くしたのが小学1年生の時。
その後の人生で、なぜか
「僕も同じ年に死ぬのだろう」
と思っていた。
それは、武田鉄矢さんが坂本龍馬が暗殺された年齢を思って
「俺も31になったら死ぬ」
というのを聞いて、同じように思っていたのだろう。
父が亡くなったのが、35歳の時。
今ははるかに超えてしまったが、
35歳を超えた先の人生を考えられなかった。
刹那的というわけではなく、
太く短くというわけでもなかったけれど。
~~~~~~~~~
だからかどうか、
年齢がいくつでも死ぬときには死ぬものだ、と思っていて、
「若いのに」とか、
「親より先に死ぬとは親不孝な」とか、
自分の価値観を押し付けるような言葉を嫌っていた。
ほんとうに、死ぬ年齢は
自分では決められないし、
周りの人も決められない。
地震や津波、火山爆発などの天災で生きるか死ぬか、
神様の采配か、運としか言いようがない。
~~~~~~~~~
数年前、
今回の人と一緒だったグループのメンバーが亡くなった。
そして今回。
昨年は、前の職場の先輩のお別れ会に出席してきた。
声を、意見を聞けなくなったのがつらい。
どうにも、壊れたテープレコーダーのように繰り返し、
かつて聞いた同じ言葉が聞こえてくるように思えるだけ。
~~~~~~~~~
スピリチュアルで、神様と会話している人も何人もいる。
こんな時こそ交渉してくれよ、とも思った。
地震や津波、火山爆発など、
神様も、最適なことをしているわけじゃなく、
かなり気まぐれだ、とも思った。
スピリチュアルは、
自分の心と体を一瞬一瞬まっすぐにして生きるためのもので、
命の長さとは関係ないようだ。
~~~~~~~~~
心が整わなくて、通夜には行かなかった。
斎場を溢れるくらいの人が来られていたという。
130人ほどとも。
翌日の告別式に行ってきた。
平日だから、みんな仕事に向かったのだろう、参列者は少なかった。
自分はたった一人だが、
たった一人でも参列者としてにぎやかしになれば、とも思っていた。
ありえない話なのだが、
花で埋めるとき、
「ぱあーっ、びっくりした?」
と起き上がってきてくれても、みんなハッピーになれる、と期待した。
期待は叶えられることはなく、
火葬場への車をただ見送った。
~~~~~~~~~
おそらく、家族が一番悲しんでいることだろう。
だから僕は一人でその人のことを想うことにする。
ただ思うんだ。
「人は二度死ぬ。
実際に死んだときと、忘れられた時。」
これはそうなんだけれど、
忘れてあげるのも供養なんだ。
忘れてあげないと、
魂があちらに行けないともいう。
だからって忘れられないから、
しばらくは思い出すから、
時をおいてまた思い出すから。
いつになるかわからないけれど、
そちらに行ったときには、案内してほしい。
と思う。
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