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堅牢なリアリティがあるものを選ぶ

公開日: : Open-minded Life lit

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  The Open-minded Life little 2013.12.11
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 生きる『原点』を一緒に創るコーチ 若狭 喜弘(Yoshi:わかさま)です。
 「よし」もしくは「わかさま」とお呼びください。

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 生きる『原点』を一緒に創るコーチの若狭 喜弘(Yoshi:わかさま)です。

 昨日に引き続きこの本からの引用です。

    『聖地巡礼 ビギニング By 内田 樹, 釈 徹宗
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 この中で、とても興味を引いた一節がありました。
 少々長いですが、ご覧ください。

~~~~~~~~~~~~~~~
 ミシュル・フーコーの「系譜学的な思考」は、歴史を「過去から未来へ、
原因と結果の連鎖として、一方向的に進むもの」としてとらえるのではなく
て、現在から過去に向かって遡行するかたちで理解する思考訓練なんです。
 あるできごとが起きた。そこから遡ると、その前にいくつか分岐点があっ
たことがわかる。ある道をたどったせいで、いまあるような結果が生じたわ
けだけれど、その時この道ではなくて、別の道を選ぶこともできた。どうし
て、あの時この道が選ばれて、それ以外の道は選ばれなかったのか。なぜこ
の出来事は起きて、あの出来事は起きなかったのか。
(中略)
 シャーロックホームズの推理は、何かが起こった時にその周辺事態のうち
「うまく説明できないもの」に注意を向ける。どうして「起きてもよかった
こと」が起きなかったのか。どうして「起きる必要がなかったこと」が起き
たのか。それがホームズ的な推理における最大の手がかりなのです。
(中略)
 壁抜けというのは、そういう思考訓練の一種じゃないかなと思うのです。
過去のある分岐点で違う選択肢をたどった場合に世界はどんなふうになって
いるか、それを想像する。世界の様子はだいたい同じものだけれど、細かい
ところで違ってきている。あるはずのものがなくなっていて、ないはずのも
のがある。それが「ありえた世界」です。そうやっていると、この世界の無
数のものの中には「どんな選択肢をとっても存在しているはずのもの」と
「あのとき別の道をたどっていたら存在していないはずのもの」があること
になる。
 「どんな選択肢をとっても存在しているはずのもの」は堅牢なリアリティ
を持って切迫してくるし、「あのとき別の道をたどっていたら存在していな
いはずのもの」は幽霊のように輪郭がぼんやりしていて、手応えがない。
 それを見きわめることができる人は、揺るがぬリアリティだけを見て、そ
れをたどって、いわばしっかりした足場に立って世界の出来事を理解しよう
とする。その区別ができない人はずぶずぶの泥濘のような根のないリアルに
足を取られてしまう。

(上記書籍の P204-206 より引用)
~~~~~~~~~~~~~~~

 「たら・れば」で、現実にない世界を夢想するのは、単なる現実逃避です。

 でも、「起きてもよかったこと」がどうして起きなかったのか。
 「起きる必要がなかったこと」がどうして起きたのか。

 そもそも、その時点で、「選べる道」がいくつもあったことに気づくこと
が大切です。

    「選んだ」のは、「運命」ではなくて「自分」です。

 その「覚悟」と「引き受け」なんだなあ。
 「自分が選んだ」んです。

 今どこに住んでいるか、
 何を職業にしているか、
 生活にどの程度満足しているか、
 どんな人たちに囲まれているか、

 私は、何を選んで生きてきたのでしょう?

------------------------

 もう一つ重要な視点が後半部分です。

    「どんな選択肢をとっても存在しているはずのもの」
    「あのとき別の道をたどっていたら存在していないはずのもの」

 そのリアリティを区別して生きているか?
 そのリアリティで選んでいるか?
 そもそも、自分の存在はどちらのリアリティを持っているか?

 まだよくわからないのですが、
 どちらの人生を生きるかは『個人の選択眼』ではなく、『生まれ持った役
割(才能、運命)』ではないかとも感じます。

 ここまでお読みいただいた方、応援いただいている方を、谷底に突き落と
すようなことを書きます。

    「どんな選択肢をとっても存在しているはずのもの」
    「あのとき別の道をたどっていたら存在していないはずのもの」

 どちらが自分であるかを自分に問いかけると、私の存在は後者のような気
がしたのです。

    「我思うゆえに我あり」

 と、自分に言い聞かせないと、自分の存在が消え去ってしまいそうな不安
な気持ちに支配された時を思い出しました。

 もっとも、自分自身のことを

    「どんな選択肢をとっても存在しているはずのもの」

 などと言い切れるのは、

    ・自分の役割を生きている
    ・自分の選択で生きている
    ・何も考えていない

 といった “強い” 人たちでしょう。
 そういった人を羨んでも妬んでも仕方がありません。
 自分の人生の責任は、自分で取るしかないのですから。

 救いは、
 「別の選択肢の世界」を「パラレルワールド」だとしたら、こちらの世界
で「別の選択肢では存在していないはずのもの」でも、「別の選択肢の世界」
では「どんな選択肢をとっても存在しているはずのもの」である可能性があ
ることです。

 もう一つの救いの視点は、
 「どんな選択肢をとっても存在しているはずのもの」なのだけれど、あま
りにあることが普通で当然すぎて、ほかの人の意識に認識されにくい存在な
のかもしれないことです。

 例えば、「空気」「水」「光」「音」「重力」「方向」

 と同レベルといったら、救いになるでしょうか?

 書いてきて、やっと自分の着地点が見えてきました。

 私は、自分のことをこの世界に必須なんだけれど、普通すぎて意識されに
くいものの一つ『水(的なもの)』だと思うと、すんなり受け入れられるこ
とに気づきました。

 あなたは、

    「どんな選択肢をとっても存在しているはずのもの」
    「あのとき別の道をたどっていたら存在していないはずのもの」

 このどちらでしょうか?

 また、それらを見極めていますか?

                  若狭 喜弘(Yoshi:わかさま)

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