饂飩屋
公開日:
:
et cetera
男が夜鳴き饂飩(うどん)屋を呼び止めて
男:おう、一杯もらおか。
饂飩屋(以降、饂):(かなり小さい声で)へぃ、いらっしゃい。
男:どうしたい。まあいいや。一杯作ってくれ。
饂:(同じく小さい声で)へぃ。
男:こういう寒いときは、熱ーい饂飩がいいやな。何ぞ温ったまるもんがないかいな、と思てたらお前が通った、ちゅう訳や。
うまい具合にな。饂飩ちゅう字は、温ったかいみたいな字やがな、なぁ。
饂:(同じく小さい声で)お待ち。
男:なんやもう出来たんかいな。
嬉しいなあ。寒いときに、温ったかいものがさっと出てくる、ちゅうのは、ほんまに嬉しいもんやで。
おう、銭はここ置いとくで。
お前なあ、毎晩流してるのか?
大変やなあ。
わしらな、家から何歩か出るだけやけど、こんなに寒いねん。お前、これを担いでずっと往来を歩いとるんやろ。吹きっさらしやがな。
饂:(小さい声で)そうでやすなぁ。
男:(声を少し小さくして)これから、どっちに流すねん。
饂:(小さい声で)今晩は、上町の方に行こうと思とります。
男:(もっと声を小さくして)ほたら何かえ、家に帰るのは明け方か。
饂:(小さい声で)そうでやすなぁ。
男:(もっともっと声を小さくして)身体に気いつけや。
饂:(小さい声で)へぇ、おおきに。ところで、あんたも風邪か?
ということで、風邪をひいていない我々は、大きい声で、普通にいきましょう。
関連記事
-
「今されて一番嫌なこと、それってビッグチャンスや~~」
「今されて一番嫌なこと、それってビッグチャンスや~~」 いじめとか、パワハラとか、ほかの○○ハ
-
「運のいい人の法則 」
リチャード・ワイズマンの別の本を借りようとして、先にこの本と出合いました。 『運の
-
2018年1月の月巡り
2018年1月 今月の月巡りをカレンダーに落とすと美しい。
-
「漁師は俺の天職だ」
■漁師は俺の天職だ (一語一会)ウエカツ水産代表・上田勝彦さん 長崎のシイラ漁船長からの言葉 (朝
-
その人がそこにいるだけで嬉しい
> 誰も、誰かから必要とされていない。必要性がないのに、その人がそこにいるだけで嬉(うれ)しくなって
-
「正しいことを言うときは人を傷つけるということを知っておけ。」
> お前は常に自分が正しいと思っているだろう。しかし正しいことを言うときは人を傷つけるということを知
-
いつも、自分の真実を話す
> 「つねに真実を話さなくちゃならない。なぜなら真実を話せば、あとは相手の問題になる」 > マイケ
-
「いい人でいることを手放せない」について
Facebookのコメント欄に書いたことを、転載。 「いい人でいることを手放せない」について
-
「自分はどういう人生を望むか」
誰にでもチャンスがある、というのは嘘でも幻想でもない。だが、自分はどういう人生を望むか、という戦略が
-
話したいけれど話せない話を
> 知った人間に話せば相手の耳が腐る。知らぬ人間に話せばこっちの口が腐る。だが、話さずにいれば胸が腐
PREV :
読者登録でも、人は自分に無いものを求めているようです。
NEXT :
信じるのだ、自分たちを