饂飩屋
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et cetera
男が夜鳴き饂飩(うどん)屋を呼び止めて
男:おう、一杯もらおか。
饂飩屋(以降、饂):(かなり小さい声で)へぃ、いらっしゃい。
男:どうしたい。まあいいや。一杯作ってくれ。
饂:(同じく小さい声で)へぃ。
男:こういう寒いときは、熱ーい饂飩がいいやな。何ぞ温ったまるもんがないかいな、と思てたらお前が通った、ちゅう訳や。
うまい具合にな。饂飩ちゅう字は、温ったかいみたいな字やがな、なぁ。
饂:(同じく小さい声で)お待ち。
男:なんやもう出来たんかいな。
嬉しいなあ。寒いときに、温ったかいものがさっと出てくる、ちゅうのは、ほんまに嬉しいもんやで。
おう、銭はここ置いとくで。
お前なあ、毎晩流してるのか?
大変やなあ。
わしらな、家から何歩か出るだけやけど、こんなに寒いねん。お前、これを担いでずっと往来を歩いとるんやろ。吹きっさらしやがな。
饂:(小さい声で)そうでやすなぁ。
男:(声を少し小さくして)これから、どっちに流すねん。
饂:(小さい声で)今晩は、上町の方に行こうと思とります。
男:(もっと声を小さくして)ほたら何かえ、家に帰るのは明け方か。
饂:(小さい声で)そうでやすなぁ。
男:(もっともっと声を小さくして)身体に気いつけや。
饂:(小さい声で)へぇ、おおきに。ところで、あんたも風邪か?
ということで、風邪をひいていない我々は、大きい声で、普通にいきましょう。
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