ただ歩き続ける
公開日:
:
最終更新日:2016/09/03
et cetera
春に散る(朝日新聞連載小説:沢木耕太郎) 最終回より
~~~~~~~
意識が薄くなっていく中で、閉じた眼の奥に、この花の道を歩きつづける自分の後ろ姿が見えたような気がした。顔を上げ、ただ歩いていく。桜の花びらが雪のように散る中をゆっくりと遠ざかっていく。
――そうか、そういうことだったのか……。
広岡は徐々に薄れていく意識の中で思っていた。そうか、自分は、ただ歩いていきたかっただけなのだな、と。何かを手に入れるためでもなければ、何かを成し遂げるためでもなく、ただその場に止(とど)まりたくないという思いだけで、ここまで歩きつづけてきたのだな、と。
~~~~~~~
最後の一文がよくわかった。
数ある生き方の中の一つ。
ほかの生き方を否定するものではない。
周りからは「考えずに流されている」と見えるかもしれないが、
「何かを手に入れよう」や
「何かを成し遂げよう」の発想はない。
「ただその場に止まりたくないだけ」で動いている。
もし目的があるように見えるのであれば、
「私のほかには○○に気づいている人は数少ないようだ。ならば、私がしなくては」
程度のこと。
こういう僕はコーチをしているが、
コーチングのクライアントになったときに扱いづらい生き方をしている。
関連記事
-
-
「全部抱えて生きよう」と気づくきっかけに
大竹しのぶさんの素敵な言葉。 ~~~~~~ 心の奥底に沈んでいた悲しみが、表に出てきたことによっ
-
-
見守るとは、「共有できないこと」を共有すること
> なぐさめるのでも、抱きかかえるのでもなく、互いに共有しえない闇の、その共有しえないということの重
-
-
声を自分のためだけに使わない
Concert for Lost Voices 009 / jvh33[/caption]
-
-
忘れる前に、わあわあとアウトプット
これおもしろい。 僕も似たようなもの。 ただし、 ・忘れたら忘れた
-
-
「共感」してても、「共感されている」と思われることは少ない
> 私には他人の痛みというのがどうしてもわからないんです。 > ある工学研究者 (選・鷲田清一
-
-
夜廻り猫(深谷かほるさん)
もてなし2016.12/10の夜廻り猫#今日の夜廻り猫 pic.twitter.com/eg607g
-
-
根拠のない、「なにもない」場所
石井ゆかりさんの 2013/7/15-7/21の空模様。 空模様のページ
PREV :
愛があるなら、すぐ忘れられる存在になること、自分がやりたいことをすること
NEXT :
「私」って何だろう?


