「がっかりして、残念で、くだらなくて、失望して悔しくて。何のために・・・」
公開日:
:
最終更新日:2016/06/03
et cetera
> がっかりして、残念で、くだらなくて、失望して悔しくて。何のために、あの事故はあったのだろう
> 福島県大熊町から避難した女性
(選・鷲田清一)
折々のことば より
がっかり感、虚しさが伝わってくることばです。
~~~~~~~
(最初にお断りしておきます。
この言葉を話した女性について貶める意図はありませんので、ご承知ください。)
「事故」の代わりに何を置いても、使える言葉だし、感情の動きは同じだろう。
日本人のメンタリティをとてもよく表した表現。
ここまで日本人のリアルな感情に沿った言葉の選び方はなかなかない。
きっと日本人は、こういう感情を持って、考えて、
過去の出来事にしてきたのだろう。
地震、増水、土砂崩れ、花火見物時の圧死、飛行機逆噴射、自動車事故、学校でのいじめによる自死、過労死、戦争など。
人間の力ではどうにもできないもの、
個人の責任ではないもの、
個人の責任でも、個人では負いきれないもの
個人の責任でも、お金でも、その人の命でも償いきれないもの
そんなものが多い。
少なくとも、自分は失ってしまって悲しいけれど、
社会の改善のために、ほかの人のために、
役立ったと思えればまだ受け入れることはできそうだ。
けれど、何も変わらない。
~~~~~~~
僕自身の考え方。
和を乱さないように我慢をするのではなく、
「個人」として納得いく選択をし続けること。
そんな生き方にチェンジをするしか、
事実と、何も変わらない現実を、
受け身で受け入れなければならない哀しさから逃れるすべはない。
もしかしたらこの女性は、
今の現実を受け入れるしかない生き方をしてきた
自分自身のこれまでの人生を悔しく思っているのかもしれない。
~~~~~~~
「あれは無駄死にだったのか!」
誰か他人を責める言葉のようにも聞こえます。
しかし、本当のところは、
それを認め、
受入れ、
賛成して、
他人にも勧め、
口を塞ぎ、
愛想笑いをし、
大切なタイミングで声を出さず、
行動もしなかった、
過去の自分自身、
今に自分にも染みついているその行動パターン
に向けた言葉です。
だから、他人の誰も
この問いには答えられません。
もし、他人に向けているとしたら、
自分に問いかけるには辛すぎる問いなので
まだ時間が必要なのだろう。
ただ、「時間は解決してくれない」
自分が「個人として」決めて、行動することでしか、
答えを得ることはできません。
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